【ニューオープン!台湾新店舗グルメ実食レポ】善導寺駅の近くにできた『忠青商行』で、台湾の歴史に想いを馳せてみた

グルメ

「こんないい香りの肉燥飯初めて食べた!」その香りの理由はメニューを見ないとわからなかった

みなさんは「文創」という言葉を聞いたことがありますか? 文創————正式には「文化創意」と呼ばれるこの大きな潮流は、2002年に台湾政府が開始した文化推進政策に端を発します。「古き良きもの(=文化)から、新しいものを産み出していく(=創意)」と言った意味合いの言葉です。

かつて眷村だった四四南村も、クリエイティブカルチャーの発信拠点

この文化推進制作でよく知られているのは、松山文創園區や四四南村など、日本統治時代や国民党が進駐してきた時代に使われていた古い建物をリノベーションし、情報発信基地として新たに活用している事例でしょう。四四南村のおしゃれな内装が施されたレストランや雑貨店だけ見たら、ここがかつて外省人が中国から移住してきた時に作った「眷村(居住地区)」だったなんて、ちょっと想像できませんよね。

さて、どうしてこんなお話から始めたかというと、今回お話する『忠青商行』のFacebookの投稿の中に「眷村家常料理」という言葉を見かけたからです。あの建物の中で、かつて人々が味わっていたのは、一体どんな料理だったのだろう? そんな風に興味を持ったのが『忠青商行』にお邪魔させていただいた一番の理由でした。

『忠青商行』で実食実飲

それでは『忠青商行』のグルメレポート、どうぞ最後までお付き合いください!

『忠青商行』のメニューは概ね、ご飯もの、麺類、滷味(ルーウェイ)、小皿料理、スープ、飲み物に分かれています。ご飯か麺の主食に、おかず1~2品とスープをそれぞれ注文できるようなイメージでメニューが作られています。主菜、副菜と汁物という構成は、訪れる人をなんだか台湾の一般家庭の食事にお邪魔しているような気分にさせてくれます。

手切威士忌牛肉燥飯(小)

『忠青商行』へ行く前にどのようなメニューがあるのか少しリサーチしたのですが、その中で一番気になったのが、「手切威士忌牛肉燥飯」でした。威士忌は日本語だとウィスキーなのですが、「ウィスキー肉燥飯」ってなんだ……というのが今回の最大の疑問点でした。

ウィスキーはもちろん調理する時に使われているのですが、食べるとウィスキーによってレベルアップした肉の香りが、口の中にふんわりと漂います。感想としては、「こんないい香りの肉燥飯初めて食べた!」でした。脂身が少なめでかなりあっさりした肉燥飯だったこともあり、自分の中では今まで食べたことのない、新しい肉燥飯でした。

極品好蝦拌麵(小)

『忠青商行』のメニューで「手切威士忌牛肉燥飯」と同じくらい気になっていたのが「極品好蝦拌麵」です。なぜかというと、見た目がものすごく美味しそうなので……。

こちらのメニューは名前の通り、麺の上に小海老が乗せられています。一見ものすごくシンプルに見えるのですが、このシンプルさが何より美味しかったです。スープの味付けは台湾人好みの薄めですが、さりとて物足りなく感じるわけでもない絶妙のラインでした。お母さんの料理みたいな優しげな味の一品です。

ちなみに、手切威士忌牛肉燥飯と極品好蝦拌麵はそれぞれ、麺をご飯に変えて注文することもできます。私は今回スープの代わりにと思って極品好蝦拌麵を注文しましたが、この小海老をご飯の上に乗せてかき込むのも、絶対美味しいはず。

豆皮と雞翅(滷味)

主食だけでなくおかずも欲しい! と思ったので、滷味の中から豆皮と雞翅を注文。どちらも滷味なので、同じお皿に載せられてテーブルにやってきました。

豆皮は、私が個人的に台湾で出会うことができて一番よかったと思っている食べ物です。湯葉を何層にも重ねたような食べ物で、衣がついているものは豆包と呼ばれることもあります。煮ても焼いても炒めても炙ってもおいしいので、皆様ぜひ!! 食べて!!!

閑話休題。雞翅は形で推測できるかと思いますが、手羽先のことです。じっくり煮込まれた手羽先は、お肉がすっかり柔らかくなっていて、食べると口の中でホロホロと解けます。味がしっかり染み込んだ皮の所も美味しかったです。

唐辛子がちょっとだけきいており、味付けはどちらピリッとからめで、ご飯がよく進みました。

私は11時半頃にお店を訪れたのですが、近くにオフィスが多いためか、12時を過ぎた頃には満席になっていました。後でGoogleで確認した所、一番混むのがお昼時であるようです。料理の価格が立地に対してかなりお手頃だし、もし私も『忠青商行』の近くで仕事をしていたら、毎日食べに行ってしまうかもしれません。すぐにお店に入りたいのであれば、ランチ時は外した方が良さそう。

席数は多くもなく少なくもなく、と言った感じです。お店の壁やカウンターに取り付けられた古民家風の窓枠と、お店全体のインダストリアルな雰囲気が相待って、なんだか今の時代ではない、昔の台湾を訪れているような気持ちになります。そんな中で優しげな味の料理を食べていると、母国でもないのにどこかほっとするような懐かしさを覚えます。

こんな感じで「初めて訪れるのにどこかほっとする」のは、台湾の方々が「古き良き物から新しい文化を作り出した」結果なのかもしれません。

『忠青商行』の行き方(アクセス)

最後にお店の位置につきまして、『忠青商行』の最寄り駅はMRTブルーラインの善導寺駅です。善導寺の4番出口から地上に出て、そのまま前方に進んでいくと、青島東路と交わるT字型の交差点に出ます。

その交差点を渡って右折し、真っ直ぐ進んで行くと、やがて『忠青商行』と金色の文字の文字で書かれた看板が見えてくるはずです。行こうと思えば台北駅からでも歩いていけるかと思いますので、よろしければ足を伸ばしてみてくださいね。


店舗名:忠青商行

所在地:台北市中正區青島東路6-1號號1樓

電話番号:(02) 2356-0008

営業時間:11:00〜15:00、17:00〜21:00

定休日:日曜日

リンク: https://www.facebook.com/ChungChingstore/

その他: –

地図:


HOZ(ほず)
ライター、日本語教師。
台湾好きが高じて2017年から正式に台湾に移住。
今は働きながら昼は台湾の大学院で翻訳を勉強する二重生活中。
早く翻訳家も名乗れるようになりたい。
黒猫、小福と一人と一匹暮らし。
主な燃料は豆皮とミントとコーヒー。

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